株式を取り上げる方法はありますか?
質問
私が代表取締役をしている会社は私と親友の2人で創業した会社で、私と私の親友が300株ずつを持ち、私の弟が100株を持っています。現在の取締役は株式を持っている3人と創業時からの従業員と私の息子の5人で、このご時世の割には順調な会社経営のようです。
ところが、この前の健康診断で私の親友のに胃にガンが見つかり、会社の先行きが心配になってきました。と言いますのも、親友の娘はいい子なのですが、その旦那さんは少し問題のある人のようで、しかも会社を狙っているらしく、親友が死んだ後、会社に入ってきてしまいそうなのです。
回答
質問者の方の会社の定款に株式譲渡について会社の承認を必要とする定めがある場合又は特例有限会社の場合には、定款に相続人に対して株式を売り渡すことを請求することができるという定めを置けば、相続したことを会社が知ったひから1年以内に限り、質問者の方の親友の相続人に対して株式を会社に対して売り渡すように請求することができます。ただし、売渡しの対価として会社が支払うことができる金額には法律上の制限がありますので注意が必要です。
定款の定め
株式譲渡について会社の承認を必要とする定款の定めがある場合又は特例有限会社の場合、会社は、株式の相続人に対して、相続により取得した株式を会社に売り渡すように請求することができるということを定款に定めることができます(会社法174条)
特例有限会社とは、会社法施行時(2006年5月1日)以前に設立された有限会社のことで、この場合には、たとえ会社の定款に定めがなくても法律上、株式の譲渡制限があるものとみなされます(会社法整備法9条)。
売渡請求の件
定款に売渡請求を認める規定がある場合、会社は、株主総会決議を得て、相続人に売渡請求をすることができます(会社法175条)。ただし、相続開始を会社が知った日から1年以内に売り渡しを求める株式数を明示して請求することが必要です(会社法176条)。
株式取得の要件
会社が相続人から自己株式を取得するためには株式取得のために支出する金額が株式取得時点での分配可能額を下回っている必要があります(会社法461条1項5号)。